圧延銅箔と電解銅箔の使い分け:リチウムイオン電池負極集電体の選択基準

「圧延銅箔と電解銅箔の使い分け」


リチウムイオン電池の負極集電体として使われる銅箔には、製造方法の異なる2種類があります。圧延銅箔と電解銅箔です。両者は機械的特性・結晶構造・コストが異なるため、用途に応じて使い分けられます。


圧延銅箔

圧延銅箔は銅のインゴットを繰り返しロールで圧延して薄くしたものです。圧延工程により結晶が配向し、圧延方向に対して高い引張強度と延性を持ちます。表面は比較的平滑です。

主な特徴は以下のとおりです。

  • 結晶粒が圧延方向に配向しており、曲げ・折り曲げに強い
  • 高い引張強度を持つ
  • 薄膜の場合、電解銅箔と比べてコストが高い
  • 厚みの均一性が高い

主な用途として、フレキシブルタイプや高出力用途などが挙げられます。


電解銅箔

電解銅箔は硫酸銅溶液中で電気めっきにより銅を析出させて製造します。結晶配向は圧延銅箔ほど規則的ではなく、柱状晶構造を持ちます。

主な特徴は以下のとおりです。

  • 製造コストが圧延銅箔より低い
  • 大面積・薄膜化が比較的容易
  • 表面粗さが圧延銅箔より大きく、活物質との密着性が高い場合がある
  • 圧延銅箔と比べて延性が低い

主な用途として、角形・円筒形セルなどで極度な折り曲げを必要としない用途、コスト重視の量産セルなどが挙げられます。


使い分けの基準

項目圧延銅箔電解銅箔
製造方法圧延電気めっき
結晶構造配向あり柱状晶
引張強度一般的に高い比較的低い
延性・曲げ耐性高い低い
表面粗さ低い(平滑)高い
コスト概ね高い概ね低い
主な用途フレキシブル用途角形・円筒形・量産用途

製造現場での注意点

電解銅箔は表面粗さが大きいため、スラリー塗工時の密着性が高い一方で、箔の破断に注意が必要です。特に薄膜化が進む近年の電池では、搬送・巻取り工程での箔切れが課題になる場合があります。圧延銅箔は曲げ耐性が高く、繰り返し変形が想定される用途や極端な曲げ加工を必要とする用途に適しています。

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